AIがわたしたちの生活のあらゆる場面に浸透していることは、もはや誰の目にも明らかだろう。文章を書き、画像を生み、意思決定を助け、ビジネスのプロセスを組み替えていく。その速度は、わたしたちが技術の進歩を語るときに使い慣れた言葉を、すでに追い越しつつある。
だがその一方で、AIをめぐる語り口は窮屈なものになってはいないだろうか。効率化、最適化、コスト削減、そして利潤の最大化──。確かに、いずれも重要な論点だ。しかし、その狭い射程のなかだけでAIを語り続ける限り、わたしたちはこの技術がもたらす本当の可能性も、その背後に潜む影も見落としてしまう。
AIとは、わたしたちが使いこなすべき単なるツールなのか。それとも、暮らしや環境そのものを組み替えていく、より大きな生態系の一部なのか。「WIRED Futures Conference 2026」は、こうした問いを起点に、より広い視野からAIの未来を捉え直す試みだ。
生態系としてのAI
その視座を象徴するのが、今回のテーマ「The Garden of AI」だ。“庭”というメタファーには、いくつもの含意が折り重なっている。庭は、人間が手を入れ、育む場所であると同時に、そこに生きる植物や虫、微生物の営みを完全には管理し尽くせない場所でもある。人間による介入と、その理解を超えて広がる自律的なネットワーク。そのあわいに生まれる絶え間ない変化と調和こそ、庭という場所の本質だ。
AIを取り巻く世界もまた、人間が設計し、育て、一定の方向へと導く一方で、それがもたらすすべてのインパクトを予測し、制御することはできない。生物多様性を考えることと、AIが多様に進化する可能性について考えること。その両方が、これからのビジネスや社会のあり方を構想することへとつながっていく。効率と支配の外側でAIを捉え直すための言葉──それが「The Garden of AI」だ。
本カンファレンスでは、このキーワードを軸に、AIと経済や企業運営をめぐる実践的な議論から、身体を通じて物理世界に働きかけるフィジカルAI、国家がAIをいかに位置づけるかを問うソブリンAI、さらには潜在空間(Latent Space)が拓く新たな可能性まで、多岐にわたるテーマを取り上げる。それらすべてに通底するのは、人間とAIを含む生態系の未来を、わたしたちはいかにかたちづくっていけるのか、という問いだ。
数ある知性のひとつとして、いかに共存するか
かつて人類は、知恵の実を口にしたことで「エデンの園(Garden of Eden)」を追われ、そこから新たな文明と歴史を築き始めた。そしていま、わたしたちは、自ら生み出した新たな知性とともに生きる時代の入り口に立っている。その時代に、わたしたちが備えるべきマインドセットとはいかなるものなのだろうか。
この問いを考えるための手がかりを提示するのが、キーノート(ビデオ収録)に登壇する作家、アーティスト、そしてテクノロジストという複数の顔をもつジェームズ・ブライドルだ。
関連記事:“知性の生態系”を耕すために──ジェームズ・ブライドルが語る、AIと自然と人間の美しい関係
情報が増えれば世界はより明るく理解しやすくなる──そんな前提に鋭いカウンターを突きつけた『ニュー・ダーク・エイジ:テクノロジーと未来についての10の考察』。そして、知性というものを動物、植物、菌類、機械、さらには地球環境にまたがる関係性として捉え直した『WAYS OF BEING:人間以外の知性』。これらの著作は複数の言語に翻訳され、世界的に注目されてきた。
ブライドルの思考は、「The Garden of AI」というコンセプトのマインドセットそのものだ。彼はAIを「人間を超える単一の超知性」としてではなく、木々や海、微生物、そして人間自身と並ぶ、数ある知性のあり方のひとつとして捉える。
人間の知性を頂点に据えたヒエラルキーのなかにAIを押し込めれば、わたしたちは、かつて自然に対して犯してきた過ちを、さらに大きな規模で繰り返すことになるかもしれない。シンギュラリティという華やかな未来像に目を奪われるのではなく、わたしたちはすでに、宇宙や生態系というはるかに巨大な知性のネットワークにつながっているという事実にこそ目を向けるべきなのだと、彼は警鐘を鳴らす。
だからこそ必要なのは、庭に手を入れ、辛抱強く世話をするように、わたしたちとAIの関係をかたちづくる生態系そのものを耕していくことだ。ギリシャの小さな島で、再生可能エネルギーの活用や地元の海草の保全に取り組みながら暮らすブライドルにとって、それは机上の思想ではない。AIと自然、人間の新しい関係を日々の実践から編み直そうとする彼の視座は、「The Garden of AI」の可能性を考えるうえで、またとない補助線を与えてくれるはずだ。
本日オープンした「WIRED Futures Conference 2026」の特設サイトでは、プログラムや登壇者を随時発表していく。申し込みは8月17日にスタートする。最適化や効率化の先に、AIとともに豊かな生態系を育むためのヒントを探る1日となるはずだ。SAVE THE DATE!
■ 日時
9月15日(火)
■ 会場
TOKYO NODE HALL
東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズステーションタワー 46F
https://www.tokyonode.jp/access_info/
※受付は45Fになります。
※TOKYO NODEのエントランスは「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の8Fです。8F TOKYO NODE内から高層階行きエレベーターで45Fへお上がりください
※受付時には本招待メールの確認と、お名刺を頂戴致します。当日受付スタッフにご提示ください。
■ 参加費
無料
※ 当日はお名刺をご持参ください。
■ 参加方法
8月17日以降、特設サイトよりお申し込みください。
※ 本イベントは先着順で参加者を決定し、メールにて招待状をお送りします。
■ 主催
『WIRED』日本版(コンデナスト・ジャパン)
■ お問い合わせ
event@condenast.jp
お問い合わせいただく際は、件名に「WIRED Futures Conference 2026」イベント読者ご招待の件、と記載ください。お問い合わせ対応時間は平日11時-17時となります。
▪️注意事項
・場内入場は当日会場での受付順になります。
・座席エリアは指定席制ではなく、空いているお席にお座りいただく形になります。
・座席を確保するために、お席に荷物を置いたままでの長時間の離席はお控えください。
・座席数については限りがあるため、人気のセッションは立ち見になる場合があります。
・混雑時など立ち見エリアからはご覧いただきづらい部分もございますので、予めご了承ください。
・クロークはないため、お荷物はご自身でお持ちいただけますようお願い致します。
・当日はお名刺を頂戴しますので、ご準備をお願い致します。学生の場合はご用意いただかなくても問題ありません。お名刺の情報はアンケート結果と紐づけさせていただきます。お名刺の個人情報の取り扱いにつきましても、個人情報の保護に関する基本方針に基づきます。
・本イベントは、申込者ご本人様のみ参加可能となります。
・本イベントは先着順で参加者を決定し、招待状をメールにてお送りします。
・招待状をお客様のご都合でお受け取りいただけなかった場合、招待を無効にさせていただく場合がございます。また、招待状を誤って破棄された場合、再送を致しかねますのでご注意ください。
・招待状の送付は、イベントの開催をお約束するものではありません。
・イベント参加のための交通費や宿泊料はお客様負担となります。
・やむを得ない事由によりイベントの開催を中止または延期することがあります。その場合においても、お客様の交通費や宿泊費等の補償は致しません。
・招待状の交換・換金、また第三者への譲渡・転売はできません。
・招待状を受け取られた方で、登録内容に不備や誤りがあった場合、または不正な行為があった場合は、招待を無効にさせていただく場合がございます。
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・ イベントの録画・録音はご遠慮ください。ほかのお客様のご迷惑にならない範囲での写真撮影は問題ありませんので、SNSなどでご拡散ください。
・お申し込みの際にご提供いただいた個人情報は、招待メールのご連絡に使用致します。その他の個人情報の使用および管理等につきましては、次のウェブサイト記載の個人情報保護方針に基づくものと致します。https://condenast.jp/statement/privacy/
なおご応募いただいた際の情報のうち、個人の属性等、アンケート項目へのご回答は、統計処理した集計値としてのみ使用し、第三者へ提供する場合がございます。
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・お申し込みは国内在住の方に限らせていただきます。
・イベントへの来場及び参加により発生したお客様の生命・身体・財産その他一切の権利に関する損害については、コンデナストの故意または重過失に基づく場合を除き、コンデナストは一切責任を負わないものとします。
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